マケドニア王ピアロスと楽神クレイオとの間に生まれたヒュアキントスは大変な美少年であった。
彼はその美貌ゆえに太陽神アポロンと西風ゼフュロスから求愛されるが
少年が選んだのはアポロンであった。





  

Alexander Ivanov “Apollo, Hyakinthos and Kyparissos singing and playng.”1831-34

輝くような美青年の太陽神と、たおやかな美少年
甘美な愛の日々を感じさせられる。
  
天かける太陽神と少年。
二人は常に行動を共にしていたのであろう。

Annibale Caracci “Apollo and Hyakinthos”1596-1600



  
幸せな日々を送っていたアポロンとヒュアキントスであったが
円盤投げをしていた二人を見かけたゼフュロスが嫉妬のあまり
風を起こしてアポロンの投げた円盤をヒュアキントスに当てて命を奪ってしまう。


  

Mery-Jpseph Blondel “The Death of Hyacinthus”

自ら手折ってしまった花を前に驚くアポロン。


  
少年の死をアポロンは嘆き悲しみ、彼の流した血から花を咲かせる。
彼の名にちなみその花をヒュアキントス(ヒヤシンス)と呼ぶ。


  
死せる美少年をかき抱き悲嘆にくれる太陽神。
二人だけの愛の世界。

Jean Broc “The Death of Hyakinthos”1801