Correggio “Abduction of Ganymede”

お前だけだ、曇りのない時代の遺児よ
誇らしげに美少年の恥を身につけているのは
カチュール・マンデス



大神ゼウスは神々の饗宴に侍らせるべく、鷲に姿を変え美少年ガニュメデスを攫った。
この神話はギリシアにおける同性愛的趣向により大いに愛好された。
ルネサンスの人文主義者はこの物語を人間の魂の天上への回帰の寓意としてとらえた。


  

Damiano Mazza “The Rape of Ganymede”1575

空高く舞い上がる鷲
無防備に背中を見せる少年の姿は十分に官能的である。
  
見つめあう少年と鷲
これは「掠奪」ではなく、愛し合う二人の表情だ。

Anton Domenico Gabbiani “The Rape of Ganymede”1700

  

William Hilton “The Rape of Ganymede”c.1806

威厳ある鷲の姿は彼が神々の王であることを示している。
少年の肌の白さが印象的な作品だ。
  
躍動感あふれる画面
温かな血が通う柔肌を持った少年が描き出されている。

Rubens “The Abduction of Ganymede”

  

Michelangelo “The Rape of Ganymede”c.1533

穏やかな表情を浮かべ、ゼウスに身を委ねるガニュメデス
天上へ至る道としての愛を描いた作品といえよう。